おしゃれで白湯を飲んでいるわけじゃないのよ

夕飯はできるだけ消化のいいものを、お風呂に入ったあとはストレッチ、寝る前には静かな音楽でリラックス、朝起きたら一杯の白湯で胃腸を起こす……。

どれもこれも、健康のためには推奨されている習慣である。一つひとつは難しくないのだが、毎日続けるとなるとそこそこ手間にはなるから大変だ。だから、こういう健康習慣はちゃーんと体のことを考えている、いわゆる健康意識が高い一部の人が趣味で取り入れるのだと私は思っていた。以前は。

そんな私も今、マイボトルに白湯を入れて、枕元において寝ている。朝から白湯を飲んで胃腸を温めることの重要性を自分でも感じるようになったからだ。仕事のパフォーマンスとも、プライベートの人間関係とも直結する。誰と話していても心身のメンテナンスの重要性を実感するようになってきた。

老化……というネガティブな言葉を選ぶのはカンタンだが、子どもの頃と違って、成人してから十分に時間が経った今の自分の体はすでに成熟状態に達している。体は乗り換えられない車のようなもので、これからは車のように丁寧にメンテナンスをつづけながら乗るものだとわかってきた。

健康に関して興味を持つと、その先は無限である。栄養を吸収するための胃腸の調子はとても大切だし、睡眠の質は少しでもあげたい。あらゆる情報があり、取り入れたい習慣があり、薬があり、食材があり、サプリがある。

白湯を飲んで温める、よくかんで食べる、味噌汁を飲む、ストレッチをする……。これらは一つずつ試して自分に合うかを検証していくしかない。健康意識の高い人の間で浸透している習慣はやっぱりいいものが多い傾向にはあるし、取り入れやすいものが多い。人気になるのは理由があるのだ。

おしゃれだから、意識が高いから、白湯を飲んでいるわけじゃないかった。必要だから、白湯を飲んでいるのだ。今日もマイボトルに白湯を注ぎながら。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ