歴史資料館は地域史の編集者

遠出をしたら、その地域の歴史資料館に行くようにしている。最近だと、鎌倉歴史文化交流館がVRやARを駆使しつつも、資料がわかりやすく整理され、建物も美しくて……とても良かった。日本史の全体像は知っていても、地域史のディテールはほとんど知らないと気づかされる。

地域の歴史は、だいたい地理的な要因に大きな影響を受けている。海なのか、山なのか。どんな地質なのか。それによって大体の産業が決まり、道や鉄道によって人の流れが決まる。たとえば、鎌倉の場合は三方が山、一方が海という天然の要塞であることが重要だったのだ。

地域の基本を知ることは、まるで相手の基本プロフィールを知るようで面白い。旅行先には、多くの歴史的な資料がある。建物や遺跡、名所がある。一つひとつも面白いのだが、「そもそも、なぜその文化が栄えたのか?」という根本を知っておくと、さらに面白い。

一方、地域の博物館でも、旅人にとってはちょっとイマイチだな……と思う場所もある。それは、資料が多すぎる博物館である。たとえば、「この人の甲冑よりも、この人がこの地域でどんな役割を果たし、それによってどう中央との関係が変わったのかが知りたいなぁ」と思ってしまう。

おそらく、地域にまつわる歴史的資料が多すぎるのだろう。しかし、旅人の時間は有限である。あまり引き算ができず、大枠となるざっくりとした全体の変化を掴みにくいままだと、なんとなく深く理解がしきれないまま終わってしまう。せっかく、豊かな場所にしようとしたのに、もったいない!

解決策としては、もっと各エリアのポイントをまとめてほしい。この時代には、これがポイントだった……というのを最初に1カ所に集めて解説し、その後、それぞれの時代にどういう詳細があるのか、そしてこの博物館にはどんな貴重なアイテムが収蔵されているのかを強調してほしい。

博物館の展示というのは、非常に編集的な行為だなと思う。連綿と続く歴史、詳細を見ればきりのない歴史。その中で何をどう伝えていくのか。あー、めっちゃ面白い。他の地域の歴史資料館も行きたい。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ