スマートな対応にはいつも憧れる。最近、業界の大ベテランの方とご一緒した際に、その対応の丁寧さ、スピード感、先を読むこと、こちらに気を遣わせない姿勢、困ったときにも焦らない様子……などに触れ、密かに感動し、こんなふうになりたいなぁと思った。
周りあら、「またこの人と仕事をしたい」と思われることが、一つの業界で長く、穏やかな人間関係を保っていくためには、必要なスキルなのだろう。多くの失敗をしてきて、今のスタイルになったのかなと思うものの、目指すゴールの一つとして、心のメモに刻みこんだ。
そもそも、「礼儀正しい」とはなんだろうか。それはきっと伝統やルールに縛られた杓子定規な対応を取ることではなく、「シンプルに、最初から相手にできるだけ迷惑をかけないように準備をすること」なのではないか。
取材は、相手の場所や時間に入り込み、少し分けてもらう行為である。だから、相手が対応しやすい連絡手段をとること、繁忙期を避けること、あいまいなステータスにしないこと、……などは当たり前に大切だ。
もし取材者が「取り上げてやる」など、少しでも上から目線で独りよがりになって、迷惑をかけてしまう可能性もある。あと、人間なのでなかなか完璧にはいかない。だから失敗した場合は、すぐに謝ることはもちろん大切だ。でも、そもそも迷惑をかけないようにしておくことだ。
そういう準備のためには、相手への思いやりと想像力が必要だ。過去のつながり、現在のステータス、未来への展望。だんだん、経験値によって精度が上がっていくといいな。