椅子と居場所

部屋でゆっくりするのが苦手なので、解決策として、いいリラックスチェアをレンタルしてみることにした。ほんの数日のお試し利用だ。

まだ使い始めたばかりだが、座り心地は包み込むように優しくて、長時間使っても体が痛くならない。それこそ、ゆっくりと何か映像を見たり、本を読んだりするのにぴったり。さっそく読書などに使ってみたが、部屋の中に居場所ができたようで、ずっと座り続けてしまった。

「自分の人生をいいものにする」と考えると、こういう投資はすごくありだなと思う。しかし、ずーっと座っているような怠惰な人間になりそうなのでちょっと怖い。良すぎて悩ましい……。って、すごい悩みだけども。

いい部屋とは、居場所が多い空間なのだと聞いたことがある。椅子は多くの家やスペースで、住んでいる人の数以上にあることが多い。それは、もしかしたら椅子と居場所が強く結びつく感覚だからかもしれない。

そして人間は、簡単に環境に影響を受ける。部屋にいい椅子があれば座る。ゆったりとした雰囲気の空間へ行けばおちついた話になるし、ザワザワとした居酒屋へ行けば屈託のない話をしはじめる。

家族や親しい人でも、いつも自宅での食事だと飽きが来てしまうし、会話にも息詰まるかもしれない。だから、レストランへ行くのは大事だ。いつもと違う雰囲気にすることで、いつもの会話内容も変化するので。

今回は、いい椅子を置くという実験だ。これは部屋での行動をかなり変えると思う。自分の心と体がどう変化するのかが、非常に楽しみである。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ