海外発ドキュメンタリーは映画、日本発のはニュースっぽい

ドキュメンタリーが好きだ。だいたい40〜1時間くらいのドキュメンタリーをよく観ている。テーマはいろいろだけど、政治や環境問題、差別、歴史をテーマにしたものを見ることが多い。

1月に観たものだと、
・廃坑井(はいこうせい)と呼ばれる使われなくなった炭鉱跡から漏れ出る環境や健康に悪影響を与える物質を追った「The Ghosts of Oil」
・短編アカデミー賞ノミネートの圧倒的な映像力をもつ「HAULOUT」
・人口の光が増えるすぎる光害の問題点を追った「星降る夜空よ ふたたび」
などが印象に残る。どれも、今まで考えたことがないテーマだった。

もちろん日本で制作されたドキュメンタリーも見るのだが、2つ候補があればなんとなく海外発作品を選びがちだ。

私に言わせれば、海外発ドキュメンタリーはどちらかというと映画のよう、日本初ドキュメンタリーはニュースの延長線のようなのだ。

映像美、ストーリーライン、登場人物のキャラクター……。上に挙げた海外発作品はどれも作品の個性が際立っていて、観ているだけでうっとりする、または圧倒的な迫力がある。一方、日本ンのドキュメンタリーは結構淡々としていて、ニュースのアナウンサーが読んでいるのか?と思うときもあるくらいだ。もしかしたら、国によってドキュメンタリー製作者の出自が違うのかも。

そういった要素から、日本のドキュメンタリーが「こういう事実があるけど、どう思う?」という客観的な問いを視聴者に投げかけているのに対して、海外発ドキュメンタリーは「作者の私はこれが問題だと思う!」をかなり明確に伝えてくるのだ。だから、後者のほうがインパクトがあり、印象に残りやすい。

どちらが選ぶかは製作者次第だが、個人的には特に遠い地域や自分ごとにしづらいテーマでこそ、ドキュメンタリーをつくる本人の「強く、明確な問題意識」を見せてほしい。作り手が問題だと思っていないことを、視聴者は問題だと思えないので……。

もちろん、日本発でも映像美にこだわった作品やドラマ仕立てにした意欲作もある。また、海外作品が日本語に翻訳されて私のもとに届いている時点で、かなり厳選済であることも分かっているから、単純に比べるのはフェアではない。

ただ、自分が海外ドキュメンタリーに惹かれる理由がわかってスッキリした。主張が強すぎて引っ張られることもあるので、今後はどういう姿勢の作品なのかを冷静に捉える姿勢でいたい。あと、日本の作品はもっと映像美、かっこよさも追求したものが増えてほしいなぁ。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ