人と暮らすときに求めたこと

人と暮らすって大変だ。すり合わせないといけないことも多いし、場合によってはルールが必要だ。それでも、必ずしもすべてのことで同じ意思決定ができるわけではないし、身近だからこその嫉妬やイライラもある。なーんてことを、友人たちと話していた。

そもそも、何十年も自分と全く違う環境で育ってきた人なんだから、簡単に人生をすり合わせられなくても当然だ。でも、そういう他人と暮らすことにはたくさんのいいところがあるなぁとも感じる。

私にとってその代表は、どんなささいなテーマでも自分の意見を聞いてくれる人、聞いた上で思ったことを教えてくれる人が毎日会えるような身近な距離にいる……ということである。

見たもの・読んだもの・聞いたもの。インプットをすればするほど、頭の中に考えたことや疑問が生まれる。もちろんこうやって文章にすることもあるけれど、どうしても出せない内容もある。

そんなモヤモヤを抱えて帰宅しても、「ねえねえ」と話しかければ聞いてもらえる人がいる。そして、違う角度からの感想や意見も聞かせてもらえる。一人暮らしだったら、Google Homeに話しかけるしかなくなってしまうことを考えると、これがとてもよいのだ。話しながら考えられるし、違う視点からのブラッシュアップもできる。

人と暮らすとき、対話が大事だとはよく言われる。私にとってはもしかしたら対話はお互いのすり合わせのためだけでなく、自分の頭の中にあるものを聞いてもらうというプロセスだったのかもしれない。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ