もっと基本を知りたい

縁があって、最近、豊洲にあるガスの科学館「がすてなーに」を訪ねた。比較的ライトな気持ちで入ったのだが、これが驚くほど面白かった。

特に1階は、火がどういうものかを触りながら体験できるコーナーと日本のガスの歴史、そしてそもそも都市ガスがどういうものでどうやって来ているのか、ガスとエネルギー、震災後のマイコンメーターをどうするかといったかなり現実的な防災の話……など、知っているようで知らないことばかり。

特に個人的にわかってなかったのが、ガスがそのまま家庭で使われるルートと、火力発電などのエネルギー生成ルートの両方で必要不可欠なこと。1960年代から石油に変わって、火力発電に使われるようになっていること。天然ガスは、石炭・石油に比べて環境負荷が低いこと。ただし、日本は島国のためヨーロッパなどと違ってパイプラインは使えず、液化して船で運んでもってきていること。だから、「液化」天然ガス(LNG)だということ……。LNGは日本が折り紙を参考に作り出したタンクに入っていて、地下に貯蔵されていること。石油よりも輸入先を分散させて(オーストラリア、マレーシア、ロシアなど)カントリーリスクを減らしているが、10年契約などで値段を下げていること。97%は輸入に頼らざるをえないこと……。石炭は植物由来、石油・天然ガスは動物由来の化石?から作られるらしい。

なーんとなく「ガスは大事な資源」くらいの認識しかなかったのが恥ずかしい。でも、自分の中ではかなり知識が整理されて、かなりニュースが見やすくなった。凍った天然ガスであるメタンハイドレートがいかに日本のそばにたくさん埋まっていて、活用ができるといいのか……もやっと理解できた。

エネルギーもガスも、本当に身近なのにあまりもちゃんと知る機会がない。ロシアへの依存をやめてほしい気持ちはあるが、まずは現状というか……そもそも世の中でどう活用されているものなのか、本質的にはどういう意味があるのか?など、最近の基本知識を適宜入れていかないといけない。

忙しいと、簡単に勉強が疎かになってしまう。企業博物館なので、もちろんガスに肯定的な目線で作られた場所なのはわかるが、スタッフのかたの説明も展示内容も非常にわかりやすく充実していて、一人の何も知らない大人が関心をもつのには十分だった。

基本こそ、もっと学びたいなぁ。そうしたら、世界にもっと興味が持てるようになるので。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ