いいインプットをたくさんしても

最近、自宅のインテリアのテイストを変えたい気分になっている。もちろん、うちの家具は既製品だし、簡単に色は変えられない。ちぇ、「あつまれ!どうぶつの森」なら、一瞬なんだけどなぁ。

なんでこう思い始めたのかと言うと、単純に家具を集め始めたときから自分の趣味が変化しているからである。現在は、白い家具とグレーのファブリックをベースとして、深い青を差し色とした部屋に住んでいる。この雰囲気も大好きなのだが、もう少し重みがほしい。

いま、イメージしているのは、白を貴重にしつつも、木材を生かしたような濃い色の家具を置く、重厚な雰囲気の家だ。それでいて、窓は大きくて明るく日差しが入る。窓の外も家の中も緑が多くて、見た目はすっきりしているが、人のぬくもりが感じられる居心地のよさ……。妄想は自由だ。楽しい楽しい。

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さて、お金がなかった大学生のころは、安くて長くいられることが何より大切で、ファーストフード店やチェーンばかり通っていた。

大人になってからは、いろんなお店に行く機会が増えた。食事そのものの質も上がったが、凝った空間を見るのは格別に楽しいと感じる。他人が意志をもって作ったさまざまな空間。好きだなと思う場所もあるし、ちょっと私は落ち着かないなと感じたこともある。

もちろん、インスタを検索すればたくさんの内装写真が簡単に見られる。けれど、あえて移動して、お金を払ってその場所に滞在する経験をたくさん重ねたことで、自分にとって好きな空間の条件が少しずつ、姿を見せてきた。

何かを作るとき、いいものをたくさん見るようにというアドバイスを受けることがあるが、似た感覚なのかもしれない。

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さて、一周まわって、自分の好きな空間をふわふわと妄想していると、あることに気づく。

実家だ。私の理想は、私の育った家に似ているんだ。もちろん個人的にはもっとこういう家具を置きたいな〜みたいな妄想はあるけれど、基本テイストは完全に実家である。なんてこった。

家を出て10年近くが経って、いいものをたくさん見て、センスがよくなったのではないかと満足していたけれど……。やはり生まれ育った家の雰囲気が落ち着く、という原点に回帰しただけだったのかもしれない。

でも、それもいいのかもな。実家の素敵なところ、見えてきたな。帰るときに、楽しく過ごせる気もする。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ