「名も無き仕事」

以前にSNSで、「名も無き家事」が話題になった。それこそ、洗剤の詰め替えとか、ティッシュの補充とか、あえて名前をつける必要もないけれど、できていないと困っちゃうことはたくさんある。

同じものが、会社にある。

例えば、オフィスフロアのハンドソープを詰め替える。加湿器の水を入れる。共有フロアに置かれた椅子のゆるんだネジを締める。郵便物を受け取る。あと、会議の雰囲気を良くするために笑顔でいること、ちゃんと挨拶すること、とかね。

多くの場合、きっと「誰かよく気がつく親切な個人」がやっている(ただし、オフィス管理をする担当者を別で雇っている大企業ではない限り)。仕事だと思われないし、やりがいもない。でも、仕事が中断することもすらある。

こういう仕事は、女性社員や新入社員がやる職場もあるだろう。今は少し世界が変わっていて、その基準が「気がつく人」になっている。もし、自分が一つもやったことがない、または思いつかないのであれば、その人は「気が利かない人だな」と周りから思われている可能性もある。だから、不満が溜まりやすいですよね。

ある程度は仕組みで改善するかもしれないが、本質的には「名も無き仕事」の必要性を全員が認め、自分のリソースを割いてくれている人に適宜感謝の気持ちを示し、できるだけ負担を分け合うしかないのではないだろうか。その点、「名も無き家事」はうまくいった事例だ。さて、「名も無き仕事」、どうなるか。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ