本日は、日本武道館で開催された「武道はじめ」へ。なぎなたを趣味でやりはじめてから、こんな珍しいイベントに誘ってもらえるなんて。貴重な経験である。
当日のコンテンツは、鎌倉時代から続く鎧着はじめという本格的な甲冑をきたセレモニーや、現代武道9種目の模範演武、そして私達も参加できるお稽古時間。
現代における武道は、弓道・剣道・柔道・なぎなた・空手・相撲・合気道・少林寺拳法・銃剣道のこと。それぞれの一流をすべて見られる機会なんてなかなかない。特に、空手はなんとオリンピックの金メダリストの喜友名諒さんが来ており、かなり迫力があった。
参加者は私達のような大人もいるが、圧倒的に多いのは子どもたちだ。小学校低学年の子もたくさんいる。一生懸命に、競技に取り組む姿はなんともかわいらしくて、密かに癒やされてしまう。
武道を趣味でやっていると、究めるまでの道のりの長さを感じる。若くして成功するには、小さい頃から始めるのが重要だ。しかし、武道必修化から10年たった今も、学校で教えられる武道は限られるし、部活も設備が必要だ。そうなると、私の取り組むなぎなたのようなマイナーな競技は始めるきっかけに出会えない子も多いだろう。
とはいえ、大人になってから始めやすいかというと、そういうことはまったくない。始めるきっかけは、だいたい偶然なのだ。だから、武道に出会えただけで環境に恵まれていると思っていい。私も幸運だった。
しかし、続けるのはまた一味違う大変さがある。武道はスポーツの側面もあるが、心身修練・修行でもある。そうなると、楽しいことばかりじゃない。日常生活は忙しくなるし、指導者が同じ地域にいてくれるとは限らない。稽古ができる場所は限られているし、仲間は少なく、道具を手に入れるのも一苦労だ。やめるのも簡単なのだ。私自身も、剣道は部活を引退した時点でやめてしまった。
それでも、武道を続けているのは、なぜか。個人的には、そこに他の仕事や趣味からは得られない要素があるからだと思う。この歳になってから、審査会や大会で緊張したり、身のこなしについて考えたり、世代・性別を越えた人と知り合い趣味について語り合ったり……。それでいて、めちゃくちゃかっこいい。あと、はっきり言えば、なぎなたをやっている自分がかっこよくて好きなのだ(笑)。自己肯定感は大事!
武道はわかりやすいエンタメではない。同じ動作を繰り返すお稽古に飽きてしまう人もいるだろう。ただ、その中で、自分の力でなにかを感じて見出す必要があるのだ。でも、それが面白いんだよな、答えがない感じで。