学歴軽視の世界を選んでよかった

IT系の業界には、「結局、何ができるかが重要。実務ができれば、学歴なんてそれなりでいいじゃん」という雰囲気があります。

だからなのか、東京に出てきてから、履歴書を出しても出身大学について聞かれることはほとんどありません。私の最終学歴は地方国公立大学ですが、東京ではさっぱり目立たない学校なんですね。おそらくどれくらいのレベルの学校かすら、認知されていないでしょう。このあたりは、地方出身者の弱みですね。

(名古屋に帰れば、そこそこ評価してもらえたんじゃないかなとも思うのですが、地元ではほとんど就活していないのでわかりません(笑)。)

しかし、たまに仕事で違う業界の話を聞くと、私よりもずっと年上の方がご自身や社員の出身大学についてかなり重視された口ぶりの時があるんです。あまりの違いにびっくりしますが、医者界隈や法曹界のような資格が入り口になる世界はそんな傾向が強いのかもしれません。

そう思うと、私は、実務重視の業界に入ってよかったなぁと思います。

私は東海地方にある名古屋のベッドタウン地域に生まれました。経済的な事情・ジェンダー的な縛りから、受験できる大学は実家から通学可能圏内のみ。受験は成功し、自分としてはベストな学校を選びました。

しかし、もし学歴重視の業界を選んでいたら。「最終学歴」がキャリアを始める上でのハンデになっていたら。正直、きつかったでしょう。自分で学校を選べなかったという悔しさもあるし、周りと比べてしまい自己肯定感が下がっていたはず。

大学受験をする高校生のころには、自分の目指す業界が学歴重視かどうかなんて、考えたこともありませんでした。けれど、世の中には引退するまで学歴が重視される職業がある。そちらの世界には行かなかったけれど、知っておいても損のないし、むしろ教えてほしかったなと思います。

私は、自分のキャリアが好きです。100点満点じゃないけれど、努力をしてきたと思えるし、誇りを持っている。同時に、とても運がよかったな、とも。やってきたことを活かせる、認めてもらえるのは人間が生きていく、気持ちよく働く上でとても大切なこと。

今更、学歴重視の世界で勝負しようとは思っていませんので、ここは手に職。これからも、腕を磨いていきたいと思います。

でも、ちょっとだけ。まるでマンガのような、キラキラと輝く青春に満ちたキャンパスライフへのあこがれはまだ消えていない……というのは本当です(笑)。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ