ひとりで海外旅行を始めたのは、19歳の春だった。大学入学後の1年で貯めたバイト代を全部注ぎ込んで、春休みに3週間のヨーロッパ一周の現地発着ツアーに参加した。
語学はできなかったし、お金の両替した量は予測が甘いし、観光地の楽しみ方や交流の仕方も幼い感じがする。もちろん今を旅の上級者とは思わないけれど、旅の仕方ですらスキルアップというか、洗練されていく余地があるんだなぁと感じる。
私の中でも大きく変わったのは、旅の荷物への考え方である。19歳の私はスーツケースへぱんぱんに荷物を詰めていた。しかし、旅慣れた人は必要なものをバシッと使いやすく、そして必要な分をよく理解していると気付いた。
私はどちらかというと不安症だが、荷物に関してはブレイクスルーがあり、コンパクト派だ。きっかけは大学時代のマレーシア留学中にインドネシア旅行をしたことだ。留学に必要なものを入れてきた大きなスーツケースを引きずって、インドネシアに行くのはあまりイメージができない。そこで、サイドバッグとしてたまたま持ってきたショルダーバックで出かけることに決めた。もちろん、入る量は少ない。それで十分だった。
今回のアメリカ旅行12日でも、飛行機代の節約と移動の身体的負荷を軽減するために、7kg以内に収めた。今回の旅の難しさは、とにかく気温差がすごくて、摂氏13〜45度まで対応する必要があり、とにかく服の選定に迷った。
この時、登山の「レイヤリング」という重ね着の考え方が非常に役に立った。そこで、カバンに入れたのは2日分の服(カジュアル、フォーマルまぜて)、3日分のインナー(ノースリーブ、長袖を混ぜて)に加えて、登山でも使えるような軽量アウターたち。寝巻きも防寒的にスカートの下に着られるものにして、レイヤードだと言い聞かせた。
これだけの幅の気温差でも、7kg以内の荷物に収められたことは、私にとっての大きな自信になった。薄い服でも、組み合わせると十分に温かい。ありがとう! 登山の知識!! もっと学びたい!! ちなみに、カバンだけでも1kg程度はあるので、なかなかこの数字に収めるのは難しいのだ……。
あとは、今回は泊まったゲストハウスでも、ロッカーが小さかったり、鍵が必要だったりしたけれど、全ての場面を準備してきたもので十分に対応ができた。まあ、その気になれば都市だから買えるけども……と思いつつ、自分がいい準備ができたことは褒めてあげたい。
登山も荷物が大きすぎると辛い。もっていく食料とかも、重さとの戦いなので、一つずついいアイテムに変えるなど、投資していきたい。でも一方でね、普段の荷物は重い! とにかく資料が多すぎると思ってる! うう、次はこれを解決したいなぁ。