両替不要は便利。でも、ちょっと寂しい

両替をする時って、なんだかドキドキする。私が自分で初めて両替をしたのは、19歳の時にヨーロッパ一周現地ツアーに参加した時だと思う。イギリス発着だったので、ポンドとユーロの両方を準備していった。当時はなんと、トラベラーズチェック(海外渡航に際して発行される外国旅行者向けの小切手)を切ったりしていた。おそらく何かを知らない人もいるんだろう。

今回のアメリカ旅行では、手元にあったものと夫が分けてくれたドル札を持っていった。しかし、本当に現金をほとんど使わなかったため、両替を全くしなかった。

具体的に現金を使ったのは、
・ツアーガイドへのチップ(Apple Payやクレジットでも払えるけど、現金のほうがさっと渡せてスマートなので)
・ラスベガスのカジノスロット(なんと1ドル札がそのまま挿入できる)
・洗濯乾燥機(ホテルのコインランドリーはいずれも25セント硬貨が必要でそのために両替した)
だけ。

あとは完全にクレジットカード。交通系はICカードか電子1日チケットががApple Walletに入れられる。アメリカへ旅行するなら、場合によっては本当に一切現金は使わないかもしれない。

こうなってくると、本当に両替は必要なくなるかもしれない。クレジットカードは使うと自動で日本円に換算されたメールが届くように設定していたので、私としてはかなり日本円を電子マネーのように使っている感覚に近かった。これはすごく便利。

それで日本のことを思い返してみる。正直、普段は現金って全然使っていないかもしれない。稀にCash Onlyの飲食店があるから財布を持っていくのと、なぎなたのお月謝くらい……? いつのまにか同じくらいキャッシュレス社会になっているかも。

日本円も日本でしか使えないお金。何度も来てくれるインバウンド観光客ではなければ、現地通貨が余っても困るだろうから、日本こそ積極的に電子マネー対応をしていくのは喜ばれるだろう。

でも、現地のお金を余らせておくと、「また行こうかな」という気持ちになるのは旅人心。あと、いろんな国のお金って面白いよね。ついついじっくりみちゃうというか……。日本はお札もコインも綺麗だし、文化的要素もあるからできたらみてほしいな、ともちょっぴり思う。なんでこんなに綺麗なの? この人、誰?みたいな……。お札って本当に職人技が詰まってるから!

両替の当たり前の時代に旅を始めた身としては、現地通貨という文化に全く触れずに旅するのは便利だけどちょっと寂しくもあるのでした。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ