キャストと作品のマッチング

幸運にも、雪組公演『ROBIN THE HERO』『オーヴァチュア!』をマチソワ〜。しかも、ソワレは新人公演。雪組さんの新人公演は『Lilacの夢路』以来ですね。

まず本公演から。My初日でMy楽だったので、朝の時点ではストーリーを全く知らない状態でスタート。十字軍の時代のイングランドが舞台の『ROBIN THE HERO』は可愛らしいコメディーフェアリーテイル。新トップコンビである朝美絢・夢白あやのお披露目公演でした。

個人的には脚本はあまり好みではなかったのですが……、キャストはよくやっている!という印象。あらためて、宝塚歌劇は作品の当たりハズレを含めて、見守りながら楽しむタイプのエンタメだよな〜と思いました。個人的なポイントをまとめると次の3つ。

1:トップがふたりともかなりの安定感があり、大人っぽくて、演技も歌もすごくいい。だからこそ、生徒さん自身の成熟度と、幼いカップルの成長物語というストーリーとのギャップが大きすぎたのがもったいない……。

2:キャラは詰め込みすぎ&スピード展開なので、予習少なめの初見だった私はふっとばされた感じがしました。ある程度、ジェンヌさんで見分けられないと「この人、誰だっけ……?」になるレベル。

3:わざとらしすぎる演出で一瞬心が離れることが続いた。具体的には心の声、現代的な表現(イケメン)、わざとらしすぎる男女の入れ替わり表現、ウルトラソウル……など。

これは3点とも、宝塚歌劇ならではの課題という感じがする。新人公演と比較しながら考えてみる。

まず1に関しては、同じ演者で違うテイストの作品を作り続けないといけないからこそ起こり得る問題という感じ。一方で、新人公演はまだ研4の苑利香輝さんのフレッシュさ、そして成長途上のオーラでハマっていて、好印象。やっぱり、作品と演者のマッチって大事なんだな……。

2は宝塚歌劇特有の何度も見る観客への配慮という感じ。ごちゃごちゃしているというのは、いい意味で見どころが多いということ。私がさらに本公演を複数回見ていたら、いろいろ見ていたかも。(3については、個人の好みなので割愛。でも、この気持ちは届いてほしい)

最後、新人公演の挨拶の熱量と爽やかさが印象に残った。蒼波黎也くんの挨拶も気合がすごくて、苑利香輝くんも「今、自分たちが成長している!学ぶんだ!」という姿勢がバシバシつたわってきました。まさに、ここからしか得られない栄養を感じた公演。友の会システムの変更で、今後は観られる見込みのない新人公演。最後に、このエネルギーがもらえてよかったなぁ。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ