最近、たまたま漫画『東京タラレバ娘』を読む機会があった。アラサーの女友達3人が飲み会をしながら過ごしつつ、自分たちの恋愛を求めて奮闘する話だ。ドラマにもなったけれど、私は何も通っておらず、まっさらな気持ちで読了した。
現代版のホラーという表現もある同作だが、身を固めた状態で読むと、普通に同世代の友人を応援するような姿勢になる(ああ、不倫はだめよ!!など)。ここからは、わずかにネタバレを含むので気になる人は回れ右でお願いしたい。
正直、主人公である倫子の最後の選択には個人的になんの共感もなく、「だ、大丈夫なのか……!?」と不安になった。それでもその中にはいい言葉があって気に入った。
あんたたちタラレバの反対ってわかる!? 分かんないでしょ!?
「から」よ「から」! 分かる!?
それはつまり後悔じゃなくて感謝ってことよ(東村アキコ『東京タラレバ娘』9巻)
実に前向きで、どんなときに使えるパワフルなエール。全編通して語られてきた「タラレバ」を一気にひっくり返ず力がある。この物語はこれが言いたくてここまで描かれていたのかな。
私も身近なところで最近、思いがけない失敗をしてしまい、落ち込んでいた。「こうすればよかったのかな……」という反省もありつつ、いやいやあのときの正直な私でぶつかったんだから仕方ない……みたいな思考をぐるぐると回っていた。
もちろんずーんとはなるけれど、ちょっと引きで考えると、失敗という大きな衝撃があったからこそ気付いたことがたくさんあった。やっぱり視野が狭かったなとか、もっとこういう姿勢が前に進むためには大切なんだ、とか。
この失敗をしたから、もっと自分に向き合える。詭弁に聞こえるかもしれないけれど、別のことに気づくためにこういう機会はあったんだろうと思うことは自分のために悪いことじゃない。この経験があるから、もっと自分らしく過ごしていける。まあ、心もちょっとは癒やしつつ。前に進むのだ。