花組公演『Liefie(リーフィー)-愛しい人-』を観劇。街ネタを追求する、地域新聞社のお話。現代まではいかないけれど、比較的近い時代のオランダっぽい世界観。主演のほのかちゃんの美貌は健在で、若手の組子さんたちの活躍場面があり、新しい花組が始まっているのを感じた。
ただ、いくつか重要な設定を削ったのでは?と思えるほど、語りが足りない脚本だったように思えて、うーん……となった。特にメインキャラであるレオ。加害者家族かなと思いみていたけれど、明かされず……。ミラにしても、それぞれのキャラクターが、「なぜその行動をするのか?」をファンの妄想で埋めるしかないというか。演じ手は上手なので、ああもう勿体無い!
しかしながら、観客の1人としてふと思う時がある。もしかして、歌の中でもっと重要なことを語っている?と。座席や会場の関係で、音が綺麗に聞こえないケースもあるし。字幕になれた現代人なので、オペラのように歌詞を電光掲示板で流してほしいくらいかも。
それにしても、生駒先生は挑戦的な人なのではないか。今のタイミングで報道や失った愛しい人をテーマに描くのは、強い意志がいるはずだ。劇団の中にもいろいろな想いの人がいて、違う角度から次の時代を支えようとしているのも感じた。
今回は残念ながら、私の好みの脚本ではなかったけれど、やっぱり伝えたいことがあること自体が一番作品作りでは大切だと思う。そう、主題はよかったのだ。ただ美しいだけの舞台では、やっぱり物足りない。今後も、頑張ってほしいなぁと思うのでした。