「考える」というタスク

私は作業時間も含めて、あらゆる予定をカレンダーに書き込んでいる。ちなみに、このエッセイを書く、すら一応書き込まれている。

その心は、自分が優柔不断タイプという自覚があるからだ。何をするのか悩んでしまうと、なかなか始められないからである。

とはいえ、実は見えないところでその行動をするという意思決定をするために、頭を使っている。問題は、その時間はうまく予定の中に組み込まれていないことだ。それによって、スケジュールにズレが生じている。

例えば、メールを一本返信するにしても、必要なことは手を動かしてちょっとした文章を書くことではない。どういう内容で返事をするべきか、考えることなのだ。

考えるというのは、個人特性が強いし、時間を無限に使えるので怖い。納得するまで考えることは大切だけれども、ある程度のスピードが求められる。

では、どうしたら意思決定を精度高く、スピード速くできるのか。

まず、ルールを決めておくこと。つまり、先に考えて決めておくのだ。そうしたら、それを真似するだけでいい。ベテランの意思決定が速いのは、頭の中に過去の情報のストックが大量にあり、調べたりしなくていいからだ。

ほかには、別のタイミングで考えておくこと。考えるという作業は何も机に向かっている間だけの専売特許ではない。シャワーを浴びたり、移動したり、歩いたり。仕事におけるそのあたりは、考える時間になりうるのかも。

でも、もっと難しいテーマについてはちゃんと考える時間をとったほうがいい。考えるというタスクをやる必要があるのだ、そしてそれをスムーズにするための訓練も……。

ちなみに、私にとってはこのエッセイを書くこと自体も、考える時間になっている。もしかしたら日本人は集団で考えようとするから、会議が多くなるのかもしれないね。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ