朝イチにまとまった執筆時間をとれるようになった

編集者になってから、記事を書く量が減った。というのも、私が一つひとつ書いていたらとても対応しきれないほどの記事量を任されるからだ。そうなると、必然的にまわりの頼もしいパートナーであるライターさんたちの力を借りることになる。

もちろんそれはライターから業界に入ったものとしては寂しいけれど、よいクォリティと適正な時間内で働くために必要な編集者としての工夫でもある。実際、先輩から「編集者が仕事を終えられるかどうかは、人に頼れるかどうか」と教わったこともあり、仕事を任せる能力の重要さを感じている。

とはいえ、予算やスケジュール、さまざまな都合で、たまに自分でしっかりと原稿を書かないといけないこともある。

が、いきなりそれをするのは難しい。なぜなら、編集者はどちらかというと「細切れ」のスケジュールになりやすいのだ。例えば、取材と打ち合わせの間の1時間、細かいメールの返信、原稿もどしとアポ取り……などなど。通常業務をやっていると、「まとまった時間」をつくるのがとにかく難しい。

一方、原稿を書くという仕事は細切れにするのに向いていない。数時間でいいので、ある程度まとまった時間を使うほうがスムーズにいく。しかも、集中力が必要だ。

つまり、編集者が原稿を書くためには、まずはとにかく埋まりがちなスケジュールの中で、取材直後の期間に数時間でいいから「執筆」というまとまった集中できる時間を取ることが大切なのだ。これはもはやスケジュールをどれだけつよい圧力で抑えられるか、自分との戦いである。

私が朝型スタイルに変えてよかったなぁと思うのが、この数時間を確保しやすいことである。朝イチから始めれば、比較的誰にも迷惑をかけない。メールが多少遅れたところで、相手の業務スタート時間もそこまで早くないケースが多い。

あとは、「このまとまった時間が貴重であること」を自分の心に刷り込んでいくこと。今週、もうこんなにまとまった時間をつくることはできないぞ……!的な気持ちは、集中力を上げてくれる。週末にはやりたいことがあるし、早く帰って寝ないといけないし。

現に、今までは遅れがちだった自分執筆の原稿が思ったよりも早く書けた。これはちょっとした成功体験である、うれしい。ワークハック。ちょっとでもいい働き方・生き方のための実験を続けるのだ。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ