月組公演『Eternal Voice 消え残る想い』『Grande TAKARAZUKA 110!』を観に行った。
芝居は題材がある程度イギリス史を分かっていないと難しいけれど、やっておけばスルスル頭に入ってくる。少々のキャラクターの意志が見えづらく、なぜこの人はこういう選択をしているのか?を理解しづらかったが、ヴィクトリア時代とエリザベス時代を行き来する美しい舞台は、世界史好きにとって楽しいものであった。
レビューはまさに退団公演の美がそこにあった。今まで観たれいこさんの中で、圧倒的な美だった。光り輝き、狩衣姿で月に帰っていくシーンなどは圧巻。あれでれいこさんに釘付けにならない人はいないだろうな……。舞台装置は木戸真梨乃先生。
さて、この公演でみんなが無理をしていないか?ということばかり考えてしまうのが悲しい。頑張るときにある程度のパワーは必要ではある。でも、やっぱり働くことで大切なものを失うなんて、絶対にあってはならない。
思い返せば、学生時代から私の周りにはたくさん働くことでつらい思いをしてきた人がいた。働き方改革の引き金になった高橋さんは同い年で、同じ年に社会に出ていた。当たり前だけれども、やっぱり自分に与えた影響は大きい。
だから、私は早く家に帰りたい、長時間労働なんてしたくない。仕事は楽しくあってほしいが、やっぱり人生も趣味もちゃんと楽しみたい。日本の伝統的な、すべてを献身して働く文化なんかに染まるのはごめんだ。
私が働き方に関する情報発信の仕事についているのも、きっと何かの縁だと思う。私は仕事を通して、ちょっとでも、一人でも誰かの働き方や生き方が変わるきっかけを作りたい。私自身も、いい働き方を実践していたい。「いい仕事」は、誰かがすり減ってしまう長時間労働の上に成り立つものじゃない。
私はそう信じていく。