「今という断面」をつくるもの

この1年は怒涛であった。大きな仕事が終わり、無償の愛を捧げていた趣味が瓦解し、暮らしのあり方が変わった。当然、時間の使い方も心の配り方も比べてみると全然違う。

別に前に戻りたいとは思わないけれど、「1年前の私」と「今日の私」は果たして同じ人間なのだろうか、と首を傾げる程度には構成要素が変わっている。

一体、何が「私」を「私」にしているのだろうか。難しい哲学をするつもりはないけれど、人生というのはずーっと続いていく。今というのは、長く伸ばした金太郎飴の端っこをストンと切り落とした断面にすぎない。

ちょっとずつ材料を混ぜて伸ばすと、思いがけない変化が起こる。あと、途中から何か新しい要素が足されたり、引かれたりしていく。それが積み重ねてきた「決断」なんだろうな。たとえば、何かを始めること、やめること。そして、無意識に選んでいる「続ける」こと。

時には、ぐちゃっとしてしまう「今」もある。何かをやめることで、自分が変わってしまうかもしれないと怖くなることもある。でも、何かを変えたからって、自分がいなくなってしまうわけではない。やめたって、はじめたって、いいんだよね。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ