この日常は、もう戻らないかもしれないから

雨の月曜日、ここから1週間が始まる。私にとっては、なんと6年以上ぶりになる週5日連続勤務である。もちろんイレギュラーで連勤することはあったけれど、もともと週半ばで休憩するのが私に合った働き方だったから、体力・気力の配分にはかなり気をつけないといけない。

こんなことを思いながら、「やっぱり、コワーキングの仕事、終わっちゃったんだなぁ」と思う。どれだけ引きずっているんだろう。でも一方で、人間はあまり急に方向性を変えることはできないのだな、と噛み締める。

今思い出すと、やはり好きな仕事だったから、すべての瞬間に美しさがあった。開けたばかりのコワーキングの静かさ、会員さんとのたわいない挨拶、なんとなく集まって食べるお昼ごはん、おそくまで仕事をしている会員さんの後ろ姿……。

どんな瞬間も、もう二度と起こらない。こういう日常の美しさほど、私たちは見逃してしまう。それは簡単に失われてしまって、取り戻せないものなのに。

だから毎日、ちょっとしたことにこそ、愛しさをちゃんと感じたほうがいい、噛み締めたほうがいい。つまらないことを優先して、大事なことを見逃さないほうがいい。来年の今日、同じ景色があるとは限らないんだから。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ