6月になった。このブログもなんとか5カ月も続いている。ちょっと遅れるときもあるけれど、何かを書く癖自体ははついてきた。相変わらず、誰かに言うでもなく、静かに書き溜めている。一番の読者は私だ。読み返すと、私にとってはめちゃくちゃ面白い……。
もし知り合いでたまにでも読んでくれている人がいたら、私の激しさにも驚くかもしれないが、人間にはいろんな面があるとわかってほしい。言い訳か!
さて、2023年のテーマは「地理とデザイン」。日本のいろいろな地域を訪ねて歴史と地域の特性を学びつつ、アウトプットとしては美しいものを作れるようにする……。言うのは簡単だが、どちらも時間がかかるので、今のところは苦戦している。
しかし、前者の地理は順調に月1回ほどは違うエリアに行き、地域を学ぶことができている。最近、興味をもったのは私が生まれ育った愛知県一宮市も含まれる「尾州」エリアの繊維産業である。
この地域に流れる木曽川の水質は、繊維産業に向いた軟水で水量も多い。そのため、江戸時代までも綿を中心に川の周辺は繊維業が栄えていた。しかし、濃尾大地震が起こり、これらの機械が損傷。そこで、明治維新を経た社会の変化も含め、「ウール」へ舵を切っていく。
このように、かなり長い間、毛織物産業に携わっているため、特徴としては1つの会社は主に1つの工程を担う分業制になった。プロとプロが、違う会社にいるということだ。軍服がウールであることもあり戦前戦中はもちろん、戦後もスーツに支えられ、ガチャマン景気と呼ばれるほどの好景気に地域は湧いた。
しかし、高度経済成長期は終わり、すべての工程を一括で対応でき、人件費も安い会社が出てくる。例えば、それが中国だ。そうなると、やはりなかなか太刀打ちできない。この30〜40年で、市場規模は10分の1までに縮小し、現在は衣類におけるウールの割合は1.7%程度になったそうだ。
老夫婦のみでやっているような施設もあるため、高齢化と後継の問題があり、さらにアパレルが構造的に抱えている「環境負荷」の問題もある。が、若い世代は横のつながりを作り、産地として生き残れるように新しい動きが始まっている……。
こんなこと、中学でも高校でもちゃんとは習わなかった。何も知らなかったが、やっと謎が解けた思いである。あの会社は、あの図書館は、あの子の実家はそういうことだったのか! 今回の話は、一宮市には繊維に関する施設があり、訪問をしたところ本当に丁寧に解説をいただいてわかったことである。ありがたすぎる。
今年のテーマは地理。いろいろな地域を学ぶ中で、「あれ、自分のルーツは?」と思うようになった。そういう興味があるからこそ、するっと頭の中に情報が入ってくる。いいテーマを掲げた。2拠点生活まではなかなか行けないけれど、私も尾州に貢献したい。今はそういう気持ちになった。とりあえず自分には高級すぎるかな……とちょっと悩んだけど、思い切ってウールのカットソー買っちゃった!! わーい!