歌舞伎と2.5次元を観た日

お休みだったので、ちょっと贅沢にもダブル観劇。

・市川猿之助奮闘歌舞伎公演『歌舞伎スペクタクル 不死鳥よ 波濤を越えて 平家物語異聞』
・ステージ『エロイカより愛をこめて』

歌舞伎と2.5次元という別ジャンルでありながらも、
・キャストが全員男性
・宝塚歌劇出身の先生が大きく制作に関わっている
・原作となる舞台や漫画は40年前以上につくられた
という共通点があり、なんとも驚くほど私らしいチョイスなのであった。作品選びの時点で自分の好みが全開なのだ。

どちらも演出が素晴らしく、宙乗りや客席降りなど、豪華な衣装、ダンス(歌舞伎でもデュエットダンスみたいなのががあった)、キャラづくり(伯爵の等身バランスが完璧すぎて見つめてしまった)、感情の動き(歌舞伎の感動、伯爵&少佐のコメディバランスが最高……)と、個人的にはどちらの作品も本当に良かった。

エロイカも「不死鳥〜」も、原作や応用された作品(漫画&宝塚歌劇版の「この恋は雲の涯まで」)の予習なしで行ったのでこれから楽しみたい。「エロイカより愛をこめて」は今年の観劇経験の中でもピカイチだったと自分的大絶賛作品なので、「うわ〜〜〜、原作絶対好きだ。また、70年代漫画の好きな作品が増えちゃうなァ……」くらいの気持ちで頭を抱えていた。(どれだけ好きでも、一緒に話せる人がいないという意味で)

しかし、この舞台の出来にもかかわらず、両公演ともに、少々空席が目立ったのが本当にもったいない……。はっきり言って、この作品は次にいつ見られるか、全然わからない。44年ぶりの歌舞伎再演だし、エロイカより愛をこめては初舞台化だ(1982年にオーディオレコードが出たらしい。レコード!!)。生きている間には、もう観られない可能性もある。

とはいえ、ちょっと古い原作の舞台を若い人にどう届けるかというのはなかなか難しいのかな……。SNSでの告知を意外と観なかった気がするので、うっすらと存在を気づかれていないのかもしれない。反面、空席があるというのは評判がよいことがわかっても、まだ観に行けるということである。

気になる人は、本当にぜひすぐにチケットを買ってほしい。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ