目て見て、足で歩いて

結局、話題の場所は行ってみないとわからない。あと、せっかくのGWだから、空いているけど気持ちがいいところで、楽しく学び多く過ごしたい。そんな2つの気持ちが合わさった結果、明治神宮に行ってきました。

訪ねたのは、内苑にある本殿と宝物殿(なんとGWは特別公開中!)、明治神宮ミュージアム。そして、外苑のほうは国立競技場から秩父宮ラグビー場のあたりまでぐるりと回ってきました。

都内で育っていない私は、上京して就職したあとに営業の先輩と待ち合わせた「外苑前」という駅名を見て、「外苑ってなに?」という知識レベルから始まっている。改めて、いまいち馴染みがないエリアだからこそ、ちゃんと見に行くことにした。

まず内苑の森はあまりにも巨大で、荘厳な場所だった。同行者は、上から撮った写真を見て、「合成みたい」と言っていた。私はそこまでは思わないが、都内には皇居も含め非常によい立地の場所が自然豊かに作られている。

この森は、100年かけてあの本多静六さんらが考えて、針葉樹と広葉樹が自然と入れ替わりながら生長していくようにしたらしい。隈研吾さんが設計した明治神宮ミュージアムは、まさにそんな杜の緑を生かした美しい設計だった。また、二階に展示された馬車は圧倒的存在感で、まさに絵の中から出てきたようだった。

また、普段公開されていない宝物殿も立派であった。しかも、良いタイミングで明治神宮がつくられるまでの歴史が展示されており、大変学びになる。宝物殿は震災や空襲の被害にありながらも、大切に直されてきた場所だった。森も各地から寄付され、さらに人も奉仕(今でいうボランティア?)だったという。コンペを元に設計されたというドーム型の屋根が美しく、宝物を守るための開閉式の窓の設計が立派で驚いた。隣には武道館があり、GWにもかかわらず稽古に励む人々がいた。

明治天皇が崩御されたあとに、「神宮」をつくる。やはり、文字通り現人神だったらしい。御霊は明治神宮に、そしてお身体は京都の伏見桃山稜にあるそうだ。(一度訪ねたが桃山稜もすごいところである。一言であらわすならば、古墳だ!と思った)

そこから30分ほど歩くと、外苑につく。ここは明確に区切られているわけではなく、どこまでが外苑なのか、意外と地図を見ないとわからない。明治天皇はスポーツにも優れた人だったらしく、ここには球場やラグビー場が置かれており、東京五輪のための国立競技場もある。そして、やはり絵画館の正面を抜ける、丁寧に整備された銀杏並木が印象的だ。

どうやら、外苑のスポーツ施設は、内苑の森整備のために重要な資金源でもあるらしい。今回の再開発はこちらの話である。個人的には、森をどうするかは一旦、おいておいても多少の再開発をしたほうがいいエリアに見えた。

たとえば、絵画館の前にある野球場(なんと3つくらいある)はGWなのに人気がなく、道のコンクリートはひび割れ、噴水も動いていない。あと、外苑管理をする建物もかなり老朽化しているように見え、この立地でこの状況?というのは単純に驚いた。

事情が複雑で手を出しにくい地域ではあったろうが、たしかに何かしないといけないという関係者の意識も理解できる。改めて計画を読むと、この野球場(神宮球場ではない)は壊して芝生広場にするらしい。少なくとも、ここの部分は個人的に賛成である。人が使えるオープンスペースにするほうが絶対にいい。

今回見学に出るまでイマイチ土地勘がなく、ぴんとこなかったので本当に来てよかった。また、SNSで反対派の意見を見るところから始まると、私のような人間は簡単に引っ張られてしまう……。なので、自分の目で現地や元の提案を見て、意識的にフラットに向き合う姿勢が大切なんだなと感じた。森のことはもうちょっと他の案も調べてから意見を持ちたい。ああ、考えるって本当に大変なのよね。忙しいと、できないよ。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ