文化活動としてオウンドメディア

企業の中でメディアを運営している人たちの話を聞くと、「なぜやっているのか、会社にうまく説明できない。でも、自分としては絶対に続けたほうがいいと思っている」という声がある。

なるほど。企業だとどうしても売上貢献の面で考えると、すぐに成果にはつなげにくい。でも、中の人としてはここから生まれるものがたくさんある自覚はあるし、長期的に見て大切だという自覚があるんだろう。では、なんと上司に伝えればいいのか。

この問いはなんとなく私の頭の中にあったのだが、今の私の答えは「オウンドメディアは企業が『文化』をつくる方法である」というものだ。。

たとえば、世の中の既成概念をくつがえすような「新しい働き方の文化」を追求する、日本にある「眠りの文化」を言語化する、教育文化の多様化を目指す……などなど。

企業のもっているメインテーマを新たな切り口で切り出す。過去から未来へ歴史という縦の軸と、各国比較などの横の軸、新たな実践者の言葉などを集めて理解を深め、さらに発展を目指す。

こう捉えると、オウンドメディアにはマーケターだけではなく、雑誌など出身の文化に造詣の深い編集者やクリエイターが関わることが求められるのが整理される、文化活動だから。だから、長い目で見てほしい。

文化をつくる、というのは難しい。でも、私が好きな言葉だ。もうちょっと深められる気がするので、コツコツ考えていく。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ