記事をつくる仕事をするなかで、なぜかはわからないが多分そうだんだろうな、と思う個人的ジンクスがいくつも見つかっている。その一つが、少しでも自信がない記事はなんとなく読まれないということだ。読者には作り手の迷いが伝わってしまう。
結局、自分がこれはいい仕事だと思えない仕事をしても、あまり成果にはつながらない。もちろん自己満足はダメだけれど、作り手がわずかでも納得していないものを読者や受け取り手にとっても同様だということである。
昨夜は、まちづくりに取り組む木下斉さん、プロデューサーの川原卓巳さんの対談をみていても、そんなことを感じた。特に木下さんは他の関係者が言えないようなテーマにもずばりと切り込んでいるらしい。でも、「正しいと思ってやっているので」とおっしゃっていた。
これを聞いて、ベテランの編集者さんがどれだけ校了ギリギリでも、クライアントと揉めていても誤字は直す……という作業をしていたのを思い出した。絶対に違うと思っていることを妥協したり、放置していたら、自分の仕事として納得できなくなってしまう。
誰も、みていないから大丈夫……ではない。きっと誰かに見られている。少なくとも、自分は見ている。まさに、「天知る、地知る、子知る、我知る」というやつである。
4月で仕切り直しが多いこの季節。さて、私自身も納得できる仕事ぶりに近づけるように努力をしたいのである。