「うらやましい」からの解放

自分に素直に生きよう、心軽くいようは、さまざまな物語で描かれるメッセージだ。雪組公演『海辺のストルーエンセ』も、デンマーク王室とそこに取り入る医師という題材の中に、そんなメッセージが含まれていた。

自分ができないこと、あえてやらないことに縛られずにいる人をみたときに、何となくモヤモヤとした気持ちを感じることがある。わたしの場合、その気持ちをたどっていくと、ずるい……を超えて、単純にうらやましいんだなと思う。

この気持ちは意外と重たくて、やっかいで、なかなか解消できない。「やっちゃえばいいじゃん」と思われるかもしれないが、結局できないのにも理由もあったりして、そういうところから脱出するのは意外と難しい。とはいえ、もちろん他人を変えることはできない。人が自由でいるのは自由だ。

だったらやはり、どうしたら自分はもっと自由に意思決定ができるのか、に戻るしかない。それを考えていくと、やっぱり怖れを手放すしかない。これをすると怖いという気持ちを捨てること。とにかく流れに身を任せつつ、心配をしすぎず、小さいことをやること。その積み重ねしかないのではないか。

もとも子もないが、自分が好きに、主体的に、思うように生きていれば、他人にかまけたり、うらやむ暇もなくなる。くだらないことに心が囚われたときこそ、自分が思うように好きに生きるのだ。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ