マレー鉄道の夜行列車に一人で乗ってみた。(シンガポール→クアラルンプール編)

旅好きのあいだでは有名な、沢木耕太郎さんの「深夜特急」の中でも描かれているマレー鉄道。(実は、この巻は読んでないのですが…)

先日、その「マレー鉄道(KTM)の夜行列車」で、シンガポールからクアラルンプールまで移動しました!

正直にいうと、「予想より素敵でおすすめ!」だったにもかかわらず「最近の情報があまりなかった…」ので、めずらしく旅行記などを書いてみようかと。

シンガポールからマレーシアにある「ジョホール・バル」という街へ移動。

移動をする理由は、マレーシアで買う方が、すべてが安いからです。基本的に、シンガポールのものは、大体マレーシアの3倍くらい高価な印象でした。

例えば、チケットにしても数字は同じなのですが、通貨が異なります。
シンガポールで買うと、39シンガポールドル(=約3,500円)。
ジョホール・バルで買うと、39リンギット(=約1,350円)。

旅中は基本節約をするため、高く感じていましたが、正直日本円にして、「日本で」見てみると大きな金額の違いではないような気もします(笑)平気な方は、シンガポールから乗っても問題はないかと。

ジョホール・バルに行くために、まずはシンガポールのブギス(Bugis)にあるバス停へ。

ジョホール・バルへ向かうバス停は、「ブギス」という駅の近くにあります。
もともと深夜発の夜行列車に乗るつもりだったので、すこし遅めの18時にバス停に行ったところ、帰宅(帰国?)ラッシュにぶちあたり、この長蛇の列。

結局、切符の購入に40分ほど待ちました。シンガポール←→ジョホール・バル間のバスの切符は、価格は3.3シンガポールドル(=約300円)。

※ブギスのバス停での注意点※

1.利用する時間には気をつけてください。平日の夕方のラッシュアワーだと、待ち時間は非常に長くなるようです。

2.バスの切符は、必ず手元にとっておいてください。バスの乗り降りがあるので、その度に必要です。もしも紛失した場合は1シンガポールドル(=90円)払わないといけません。

3.バスの切符の料金は、インターネットやガイドブックの情報よりもちょっと高かったです。切符を無くしても追徴金があったりするので、とりあえずあまり残金ぎりぎりにならないようにご注意を。

4.バスは乗り合いです。日本の地方のバスと対して変わりませんが、立ち乗りも含めてぎりぎりの人数まで乗ることになります。体力は温存したほうがいいと思います。

ラッシュアワー時の出入国審査は、戦場だった。

ラッシュアワーだったせいか、バスがイミグレに着いた途端、全員が走り出します。

私「!?」

ぼけっとしているとバスに取り残されるので、とりあえず流れが向く方向へ。
とりあえず、シンガポールの出国審査を抜けると、そこはまたしても長蛇の列。ここでも30分ほど乗り合いバスを待ち、またも移動。

次に降ろされたところが、マレーシアの入国審査。入国審査の職員にナンパされ、やっと気楽な国へ帰ってきたと安堵しました。(笑)

※出入国審査での注意点※

1.ラッシュアワーの際、現地の人はバスがとまった瞬間に全力で走り出します。あまりに勢いがすごいので、驚いたり、転ばないように気をつけてください。

2.出入国審査では、外国からの旅行者の方は、ALL Passportの列に並んでください。人が多いところは、多分シンガポールかマレーシアの方専用です。シンガポール出国時は、入国時に受け取ったDeparture Cardとパスポートの用意を。

3.シンガポールの出国審査を受けた後、再度ジョホール・バル駅まで移動するバスは慎重に探してください。ブギスからジョホール・バルの乗り合いバスの乗客は、ちょっとわかりにくいのですが向かって左側(シンガポール側?)の長い列に並びます。いろんなバスがあるのに、名前とか書いてないので、困ったら現地の人に聞きましょう。

4.確かに移動は早い者勝ちですが、よほど急いでない限り、旅の方は落ち着いていかれたほうがいいかと…。

マレーシアの入国審査=ジョホール・バル駅だった。


マレーシアの入国審査を抜けた後、JB sentral(=ジョホール・バルセントラル駅のこと)の看板に従って10分ほど歩くと、KTMにも乗れるジョホール駅に到着します!もう一度、バスに乗るかと思ったのですが、違いました。(※間違って他のBus Stationなどに行かないようにご注意を!)

ジョホールバルは治安が悪いと聞いていたのですが、ものすっごい綺麗な駅で驚きました。そして物価が安い…(泣)

マレー鉄道の切符の買い方・値段


切符は、チケットカウンターで買えます。はじめに左側のカウンターで、予約番号を受け取り、その後にカウンターで購入。購入には、パスポートの提示が必要でした。

ジョホール・バルからクアラルンプールに向かう深夜便は23時59分発。

平日だったせいか、席は余裕があったようです。オンライン予約の場合は場所を選べるようですが、カウンター購入の場合は選べませんでした。しかし、混雑期はあるようなので気になる方は、事前予約をしておくといいと思います。

2等級の寝台車は上の席ならば39RM、下の席ならば45RM。

ジョホール・バル駅での待ち時間のつぶし方

近くにはスターバックス、カフェ、24時間営業のコンビニやKFCなどもあり、待つには困りません。また、待合席もなかなか快適です。wifiがないのだけが、残念。マレーシアにはよくあるマッサージチェア(有料)も設置してありました。

とうとう乗車!内装もいい感じ!!

のんびりと、待つこと4時間。
待っている間に、ジョホール・バルの街に出ようかとも思ったのですが、すでに夜遅かったのと、治安があまり良くないと聞いていたので、今回は断念しました。アナウンスを聞いて、いざ、マレー鉄道へ!

入るとこんな感じ。ちょっと古そう?
でも、寝るところ綺麗!思ったより広い!!窓もある!!

広さは、身長160cmの私は余裕で体を伸ばせるくらい。おそらく、カプセルホテルくらいでしょうか。ただ、正直荷物をおく余裕はあまりないので、荷物は小さい方が良いです。

ついていたものは、まくら、シーツ、小さなゴミ袋、カーテン、読書灯。食事や飲み物はついていませんでした。線路の出来が悪い部分があるのか、ガッタガタしてその勢いで2~3回は目が覚めました。笑 でも、ベットはふわふわで寝心地は悪くなかったです。

窓からの景色はこんな感じ。暗いですが、雰囲気はいい感じで気持ち良かったです。うーん、写真が、残念。

翌朝、8時15分。無事にクアラルンプールにあるKL Sentral駅に到着しました。見慣れた駅の安堵感!

※マレー鉄道(KTM)利用の注意点※

1.チケットはWeb予約をしておくこともできます。その際には、クレジットカードが必要ですが、Webで購入したらクレジットカードの不正使用が疑われて止められることも以前はあったようです。きになる方は、窓口で。その際は、売り切れにはご注意ください。

2.アナウンスは、マレー語が中心なのでご注意を。気をつけて、アナウンスや周りの様子は伺ったほうがよさそうでした。

3.残念ながら2等寝台車では、シャワーは使うことはできないようです。シャワーは、ゲストハウスなどでも、チェックアウト後ちょっとお金を払えば、借りられたりするので、そうしてもいいのかもしれません。

4.発車後すぐに切符の確認が車掌によって行われます。切符はすぐ出せるところに入れておいたほうが便利です。

5.食べ物の持ち込みは可能です。車内販売でナシゴレン(←マーレシア風炒飯)やナシレマク(←ココナツミルクの炊き込みごはん、からい。)も売っているようです。ただし、同じくマレー語なので、お聞き逃しにはご注意を。ジョホール・バル駅内では、食べ物調達は簡単です。

6.寝てる間は、割とガタゴトとうるさいです。笑 また、扉に近いと開閉音もうるさいかもしれません。その点では、車両真ん中あたりの席がいいらしいです。

「マレー鉄道に乗ってみた」感想。

とりあえず、ラッシュアワーに乗ると大変。(笑) でも、その分マレーシアとシンガポールを行き来して、ビジネスをしている人の日常を垣間見れたようで面白くもありました。

乗り物に乗るのは好きな私にとっては、「移動こそが旅の楽しみ」でもあり、マレー鉄道はそれを十分に満たしてくれました。夜行で移動ができるので、旅人としては一晩の宿代を浮かせるし、移動距離(325km)に対しての価格(1350円)は破格ですね。

ただ鉄道を使う分、時間はかかります。飛行機でシンガポール→クアラルンプールを移動すると、飛行機自体は1時間くらい。空港までの移動がそれなりに大変なので、中心部へ行くには最低3時間くらいでしょうか。

そういう意味で、たっぷりと時間を使って旅ができるマレー鉄道は、贅沢なのかもしれません。

また、2020年までにシンガポール-クアラルンプール間には新幹線をつくる計画も進行中。
将来、この距離は90分になるとか(笑)。もしかしたら、KTMはとって代わられてしまうんですかね。
そう思うと、さらに貴重な「距離を感じる」経験でもありました。

KL−シンガポール高速鉄道構想で日中競争再燃か|Newspicks
マレーシア-シンガポール高速鉄道建設、6月にも二国間協定締結 | レスポンス

ぜひマレーシア・シンガポールにいかれた時は、挑戦してみてはいかがでしょうか!

シンガポール→クアラルンプール移動まとめ。

18:00頃:シンガポール・ブギスのバス停
(※チケット購入まで約40分、3.3SD=(約300円))
   ↓
《乗り合いバスで移動:30分》 
   ↓
19:20頃:シンガポールの出国審査(※出国審査と、バス待ちで約30分)
   ↓
《乗り合いバスで移動:20分?》
   ↓
19:40頃:マレーシアの入国審査
   ↓
《徒歩:10分》
   ↓
20:00頃:ジョホール・バル駅(※チケットは39RM=(約1350円))
   ↓
《23:59発 マレー鉄道(KTM)にて、8時間15分》
   ↓
翌日8:15頃:KLセントラル駅(クアラルンプール@マレーシア)

※本記事における情報は全て、2015年1月21日のものです。最新の情報は、KTM公式サイトなどでご確認ください。
KTM公式サイト(英語)

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ