去年の夏にした途方もない努力とその滑稽なまでに個人的な理由

今日は月曜日だが、私にとってお休みだ。というのも土曜日に出勤する仕事の都合上、平日が1日お休みなのだ。これは何かと便利で、銀行や役所、買い物など休日にしにくい用事をするのに向いていたりする。

そして、個人的に1番気に入っている理由が、仕事合間のランチと称して企業勤めの方々に会いやすいことだ。休日や夜の飲み会だと少し誘いにくい場合も、「会社のお近くでランチでも」と言えばよい。あとは相手のスケジュール次第である。

さてさて。そんな今日のランチの相手は、前職の後輩だ。

集合場所は、前職オフィス近くの神保町。せっかくなので創業80年の喫茶店「茶房きゃんどる」で、ハウスブレンドのコーヒーをいただいてから、「ラドリオ」や「ミランガ・ヌオーヴォ」を横目にすり抜け、待ち合わせをした某カレー専門店に向かう。

2017年の夏、私は新卒で入社したWebマーケティング支援のベンチャー企業を退社した。私はその会社でWebマーケティングについてのノウハウや実例を紹介するメディアを運営しており、彼女はそのチームのメンバーだった。

社会人2年目の私と新卒の彼女。どう振り返っても若すぎるチームだったが、当時も今も彼女は本当によく頑張っていたと思う。

お互いの最近の近況や何やらを笑いながら話しているうちに、こういう時間を普通にほしかったから、あんなに一生懸命に円満退職を目指したんだなぁ、と思う。

仔細は省くが、私は退職のために数カ月を要し、おそらく過去一番働いた。当然かもしれないが勉強会の開催やマニュアルの作成もできる限りやったし、なんなら最終出社日までインタビュー記事を書いていた。あとから事情を知る友人には「なんで辞めるときにそんなに頑張ったの?」と言われたくらいだ。

そして周りの方々の寛容さもあって、多くの方に応援していただきながら、かなり円満に退社した(と私は思っている)。

我ながら生真面目だなぁと思うし、自己満足な努力だったかもしれないとはわかっているけれど、「あの時の私にできる努力を精一杯した」と思えるから、私は彼女と明るい気持ちで会えるのだ。

その努力は、ただただ私のためのだけのものだった。そんな途方もない、個人的な個人的な努力だったのだ。

在職中に食べ損なった「神保町チャボ」のホワイトカレーは、まろやかでとっても美味しかった。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ