地球の住みやすい場所を借りているだけ

ラスベガスのホテルに、2時半集合。これは午後じゃない、午前だ。これは限られた旅程の中でグランドキャニオンはじめ行きたい絶景にたどり着くために、私が選んだ現地発着ツアーの集合時間である。

・レイク・パウエル(アメリカで二番目の広さを持つ人工湖)
・ホースシューベント(300メートル以上の巨大な馬蹄型の岩)
・アンテロープキャニオン(地球が作った彫刻!)
・フォレスト・ガンプポイント(映画がフォレストが走るのをやめた場所)
・モニュメントバレー(なんとジープに乗って近くまで行く!)
・グランドキャニオン(サウスリムの2箇所から)
・ルート66の町・ウィリアムズ

これらの超豪華な体力系弾丸ツアーで、この7カ所を巡るために1500kmのドライブをして、なんと帰宅は23時半。21時間の日帰りツアーである。って、それは日帰りと言っていいのか……? 日本人ガイドさんから「このツアーに参加している人は体力に自信がある方かと思いますが……」と言われた時に、だよね〜と思ったのでした。

アメリカは広い。そして、絶景は地球が、大地が、海が、川が造るもの。つまり、1つひとつが巨大でそれなりに離れているのである。

しかし、それが魅力的だ。今回訪れた場所は、どこも息をのむような絶景だった。

たとえば、ホースシューベントは本当に大きかった。近づいていくといきなり川に削り取られた自然の岩が現れる。落ちたら死ぬ距離から、東京タワー並みの高さの岩を見下ろすと、吸い込まれそうな魅力があった。(実際、何人か落ちたらしい)

グランドキャニオンはイメージ通りの場所で、まさに地球の歴史が断面になっている。この地層は20億年かけてできたものだという。信じられる……? しかも、深い峡谷の中に住んでいた(る?)部族とかいるらしい。さっぱり意味がわからないけど、人間ってすごいな……。

他の場所についてはぜひ後日紹介したい。が、こんな場所を次々に見ていくと、「私たちは地球から住みやすい場所をほんの少し分けてもらって暮らしているだけなんだな」と思わざるを得ない。地球が長い長い時間をかけてつくってきた、この環境。私たち人間はその歴史の一瞬の中にしかない種族。

環境問題は大切だけど、大きすぎてイメージしきれない時もある。それはそもそも、私たちが地球の歴史の中でどういう位置づけにいる生き物なのかが想像しきれてないからなのかもしれない。あー、瞼の裏に絶景が見える……気がする。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ