何視点で見るのか?

何かを確認する仕事というのは、なかなか嫌なものである。どうしても、あら捜しのようなことをしないといけないからだ。基本的に、人は自分の心や体、時間の状態に合わせてできることをやっている。だから、責めることはできないし、そこから始めるしかないと思う。

さて、編集者に校正・校閲を頼むと編集されてしまうことがある。編集はよりコンテンツを良いものにするためコンテンツそのものを触ること。校正も目的は同じだが手段が違う、誤脱をなくすことでより精度の高いコンテンツを作ることである。

作業自体は似たような動きなので、ついつい作業をしている間に意識が脱線してしまうこともあるだろう。でも、そのあたり、いま自分はどういう役割をしているのかを常に考えないと、せっかく頑張っても求められていないことなので無駄な労力になってしまう可能性がある。それは誰にとってもあまりいいことがない。

もし一人で記事コンテンツを出すすべてを見るのだとすると、3役ほどになる必要がある。最初は「読者」として純粋にいいところを見る、次に「編集者」としてもっと面白くするためにできることを提案する、最後に「校正・校閲」としてより精度を上げる。

このマインドはすぐには切り替えられないので、時間が必要だ。急ぎの原稿だったとしても、翌日まであけて再度読めるスケジュールを引く意味は、ここにある。そして、私は自分がどこが苦手なのか、よくわかっている。それも大事である。

有限会社ノオト所属の編集者・ライター/ コワーキングスペース「Contentz」管理人。 テーマは働き方・学び方・メディア・朝ごはん など / 休日は喫茶店と東京宝塚劇場をうろうろ