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背中を押して、勇気をくれる本。山口絵里子さんの「自分思考」


引っ越してから、何よりも幸せだなと思うことは、生活を自分の好きなものだけでつくることができること

旅費のためにひたすら貯金をしていた学生の頃は「とにかく安いもの」を選んでいましたが、今は「自分にエネルギーをあたえてくれるもの」で周りを固めたいと思うようになりました。

例えば、青い壁紙。感情的な部分の強い自分は、部屋でいちばん目に入る色は「冷静な気分になれる青がいい」と思っていましたが、親元にいる間はなかなか叶いませんでした。

他にも、腕時計やマグカップは心のこもった贈り物だったり、コースターは震災被災地で作られたものだったり、iPodもエイズ支援の色を選んだり。自分が見るたびにエネルギーを感じるもので周りを固めることは、辛いときに何よりも元気と勇気をくれます。

そしてとうとう先日、お財布と名刺入れを新調!

「裸でも生きる」という本で有名な山口絵里子さんの「マザーハウス」ブランドのものを、せっかく東京にいるということで、本店へ買いに行きました。



すごく雰囲気が柔らかく、店内も素敵でした。手にとって選べるのは東京にいる強み・・・!(名古屋にはないので。笑)いろいろと考えをめぐさせつつ、選んだ品に満足。

そして、もう一つの掘り出し物は、店内にあった山口さんの「自分思考」という本でした。まだ読んでなかったので、これもご縁と思い、読むことに。「自分思考」は、今までの2冊の「奮闘記」とは違い、「自分思考」は経験をもとに考えられたことを、柔らかく表現されたエッセイ。



気に入ったところを何点か抜粋させていただきます。

一番気に入ったのは、「女性として一歩踏み出す」という話。

“私は日本人がもつ「働く女性」のイメージは、少し理想と違うなぁと感じる時もある。日本では「キャリアウーマン」って言葉があるように、働くことがプライベートの対立軸として並べられることが多い。「オンとオフのバランスを取ろう」という言葉だったり、「ワークライフバランス」という言葉も、そもそも仕事とプライベートという分けられた世界の中で生きているから生まれる発想なんだと思う思う。

私の中では、二つは切り離して考えるよりも、両方が重なっている部分があって、だからこそ人生が楽しんだと思う。(中略)また、本気でやりたいことをやり、楽しんでいたら、そんな境界線が自然と意味がなくなる感覚をわかってもらえると思う。 楽しいことは際限ないし、やりたいことも際限ない。そして、それは仕事の目標というより人生の目標。(中略)

素直に働くことを楽しんで、それを人生の時間の中に、自然と溶け込ませていくような感覚だ。(中略)

女性だからできることや、感性、感情、表現やおもてなしといった部分で女性社員はとても活躍してくれている。そして最後に、女性の笑顔はそれだけで価値がある!笑顔を忘れずに進んでいけたらと思っている。"

ワークライフバランスっていう言葉の意味も価値もわかるけれど、できるだけこういう方面に近づけるように働きたい。今は、新しいことを知るのは楽しいし面白いな、っていうレベル。でももっと夢中になれるとも思う。そしたら、もっと楽しくなる。楽しくてやりたくて仕方ないっていう人生にしたい。

覚悟のつくり方

"原体験を振り返り、現状に疑問を持ち、とことん悩みながら、アクションを通して試行錯誤し、主観をつくり上げ、それで最後に主観の中から出てきた自分の役割を決める。もちろん先輩達からのアドバイスも家族の意見も、友人の助言も最高に大事だと思う。けれど、自分のレイヤーと他人のレイヤーを異なるところに位置させた方がブレない自分を形成できると思う。心の奥底にある自分のレイヤーで、最後は意思決定をすることが「覚悟」を生み、しんどい状況でもなんとか踏ん張る力をくれるように思う。(p65-66)"

これは最後は腹をくくるということ。 迷うことは人生たくさんあるけど、大切な意思決定は、自分で決めたい。自己責任であれば、後ろへ下がることもなくなるから。

(関連:自分のやりたいことと親の意見が合わなくて悩んでいる人へ。新社会人になる自分から、5年前大学に入学する自分に伝えたいこと。)

何よりも、行動から。

"私は、よちよち歩きの中で知ったことがある。「一歩でも半歩でも踏み出してみること」と、「その場に立ち止まって考えている」のとでは、雲泥の差なんだということ。「生みの苦しみ」という経験は、後になって、じわじわ効いてくる。半歩でもいいから踏み出せば、道がなかった場所に道をつくりはじめたという僅かな自信がつく。(p71)"

"こんなふうに一歩、一歩がまた次の一歩を呼び込んでくれるように私は感じている。 そして、呼び込んでくれているのは次の一歩だけじゃなくて、もうちょっと大きな自分だったり、もうちょっと強い自分だったりする。 経験だけが、人間を強くしてくれる。(p29)"

どんなに凹んだって、悩んだって、何もしないと絶対に始まらない。 数学の問題がまったく解けなかった時、答えを写すことから始めたように、できることからひとつずつ。走りながら、考える。

自分のポジションは、

"世界には、さまざまな価値観が存在する。日本という小さな島国の中で、隣の人が持っているものを、自分が失うことを考えれば、もちろん足がすくむ。けれど、日本という小さな枠を少し外れて、人間としての自分を見たときに、日本人ということだけで、どれだけラッキーな星のもとに生まれてきたのかと感じる。失敗したって、じつは日本人であるだけで、とても社会から守られていることに感謝したい。(p91-92)"

"苦しいことを単純に苦しいこととして受け止めず、将来に生きる経験をしていると思えれば、きっと<苦しい>が少しずつ<意味がある>と思えるようになると思う。(p100)"

”運を引き寄せるのは自分自身の心の持ちようだと思う。絶対できると信じる気持ちもそうだし、神様が応援してくれているなぁと思う気持ちも、なんだか波が来ている!と思う気持ちも。そして、単純だけれど「笑顔」もとびきり大事だと思う。運という虫は笑顔が咲いているところに集まってくる。(p113)”

バックブランドの立ち上げ、社会起業家の走り、など肩書きの印象は華やか。でも、山口さんの本を読むと、ああこの人は普通の感覚を持った方なんだな、と思う。もちろん、行動も成し遂げたこともすごい。だけど、絶対に自分がすごい人だから、というような書き方はしない。いじめにあったり、非行に走ったりした過去を隠さない。

日経新聞の「私の履歴書」なんかを読んでいても、大きな成果をあげている方の過去は以外といじめられっ子だったりする。遅咲きの方も沢山いる。だから、いまのことにフォーカスをして取り組みつつも、大きな視点をもって、落ち着いて物事に取り組みたい。

勇気のもらえる本。

章立ては、「みつける」「一歩踏み出してみる」「続けてみる」の3つ。 それぞれについて、シンプルながらも経験に裏打ちされた強さを感じることばにあふれていました。

もちろん、「言うは易し、行うは難し」。でも、行間にあふれたエネルギーをたっぷり浴びることができ、目の前のことを頑張る勇気が湧いてくる一冊でした。週末に、がんばろう、と思える本に出会えて幸運ですね。